Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate
またつく。またつきながら道を歩き出した。
すると誰か、出会い頭の武者が手を出してその鞠をついた。下手くそな手につかれた鞠はすぐ横へ飛んで行ってしまった。おや屋は、まろい眼をみはって、
「あら」
と、その武者の顔を睨んだ。
よく見ると、それは姉聟の藤吉郎であった。ゆうべ一夜、城内に過して、二日の今朝帰宅して来たのだが、まだ戦場姿のままなので、まったくよくよく見ないと分らないような顔をしていた。
「お姉様あッ。お義兄さまが帰りましたよ。お義兄さまが」
駈けこんで来たおや屋が、絶叫に近い声で家へ告げた。
もとより藤吉郎の帰りは前から知れていた。お城へはきのう着いたが、何かとお役目向きの相談や始末もあり、こん夜は城内に泊るが明日は帰る――との良人の使いをうけて、寧子は、今朝から待ちわびていた。
朝の化粧も、何かの家事、常と変らないつもりでも、どこかいそいそする風が、おや屋の眼にもわかるとみえて、おや屋まで浮き立って、姉をからかったり、鞠を抱いて外へ出てみたりしていたところなのである。
寧子は、おや屋のあわただしい告げを聞くと、
「ごんぞ。旦那さまが、お帰りになりましたぞえ」