Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にほんのび

日本の美

中井 正一

Leggi 日本の美 (にほんのび) di 中井 正一 (なかいまさかず) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.126 caratteri · 187 schermate

Aozora Bunko

五 文学――幽玄・わび

ております。これは日本人だけにひびく、夢のような美しさであります。

深い切なさをもって、物に対決するこころのみが、かかる美しさを導きだしてくれるともいえるでありましょう。

ここにも、流るる水のごとく滞ることなき清らかさと、軽さの美しさが、淡い哀感の中に、滲みでているのであります。

五 文学――幽玄・わび

『新古今集』の精神において、歌をよみいでる態度を見ますのに、藤原定家は次のようにいっています。

「亡父卿(俊成)のよみ給ひしこそ誠に秀逸も出ぬべけれ、深更にとの油ほそく、有かなきかのにむかひ、なほしのすすけたるうちかけ、ふるきゑぼし耳までひき入れたまひ、脇息により、桐火桶をいだき、詠吟のこゑ忍びやかにして、夜たけ入しづまりぬるにつけて、うちかたぶき、よごとなきたまへるとなん。まことに恩入たまへる姿有難くこそ侍れ」と、申しておりますが、彼が生きている現実は、源平の戦いによって、眼前に、多くの人が死に、兵乱の中に、多くのものが焼けていったのであります。これが現実のほんとうの姿かと思えるほどの、手触りの荒い現実が彼らの前に聳え立っていたのであります。渺茫たる戦争の廃墟の中に立った者のみの知る、絶望を味わっているのであります。