Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Leggi 日本橋 (にほんばし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.697 caratteri · 177 schermate

Aozora Bunko

で、ほんとうに不思議な位だ。」

「私は毎年放すんですわ。」

「それにした処で、ちょうど機会よく、……私は姉の引合せか、と思う。」

「御馳走様。」

と横を向いた、片頬笑みの後毛を、男に見せて、婀娜に払い、

「清葉姉さんの、でしょうちょいと。」

「ええ?」

「お驕んなさいよ、葛木さん。」

「驕る。……そりゃきっとお礼をするがね、どうしてお前さん、私の名を。」

「知っていますよ。」

吾妻下駄をからりと鳴して、摺下る褄を上衣の下に直した気勢。

「今お帰り? 清葉さんの葛木さん。」

彼は退いて片手を振った。

「止してくれ、先方が迷惑をするんだから。」

「酷く御謙遜ね。」

「いや、まったく。」と、慌しく中折をぐいと被る。

お孝は覗くようにしながら、

「それとも、これからお出掛けなさるの。……宵にして下さいよ。そうでないと、私たちが見たくっても廊下で御目に掛れない。」

「串戯を云っちゃ困る……これから行って逢えるようなら、橋の上で巡査に捉まる、そんな色消しは見せやしない。……

なんのッて暢気らしく云うけれども、実際行掛けに流した方が無事だった。雀と違って、ものがものだし、ちょっと嵩は有るしするから、宵の人目を憚ったのが、虫が知らしたのかも知れんのだね。