Classici giapponesi con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.068 caratteri · 81 schermate
八月十六日
それを知って居る。自分も。それは愛だ。然し、愛とは別な熱情は、それで満されず。Yが男でないという丈の理由なのだ。Yの罪でなし。Yの愛でどうにも仕方ない苦痛だ。
○烈しい分裂の力を感ず。又墜落の誘惑を感ず。人間は時に目を瞑って奈落へ落ちることを欲するのは不思議なものだ。奈落の底を打ちぬいたら、何処へか出ないか。そこには、地球の彼方側に又国があるように、又天国がありはしないだろうか。
○強烈な何物かを欲す。――
八月十六日(火曜)
つづき。落ちんと欲する衝動。暗い引力。昇らんと努める人間を反動的な強さで捕うこの暗い引力。恋愛ではない。本能の恐ろしいリアクションだ。
○いつか三沢が云った。――彼等が皆で私窩子買いに出かける、それは、ガムシャラに堕落するその心持を痛快とする、爆発性だ。出来るだけ淫猥になってやる、自己放散をして、又昇って来る。これは罪か――罪か――
○この感情燃焼自分にこの頃よく分る。
○普通女性、この二つの力をこのまま力として感ぜず、愛とまぜ、愛と思って、異性に執着する。彼女等は墜落して居ることを知らず、いつか墜落しきって一生を終る。
○昨夜これ等のことを考え、苦しい心持だったが、このような内面的引っぱり合いを、はっきり自覚し、味えるのわるくないと思う。