Classici giapponesi con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.447 caratteri · 76 schermate
三月二十七日
会田さんの風邪がなおったばっかりなので、又私も少しは疲れて居るので、明日は飯坂へ行くことにする。前の借屋のことで車夫が来るので、俥を命じる。小さい行りを出して、それに荷をつめてから「明暗」の残りをよむ。漱石先生は偉い。いかにも純日本人らしい心持があの作を通して漲って居る。東京へ手紙を書く。家の、あの明るい、あったかな、美くしいかおのある食堂が大変恋しく思われる。かなり複雑な生活をして居た人間が単純な生活に入ると、一時は愉快だが、やがて不安になる。その通りの心持が、今の自分に起って居るので、早く今の境遇の変ることをのぞむ。
三月二十七日(火曜)
天気が大変定まらない。晴れたり曇ったりして、ときどきは雪まで降って来る。けれどもあまりのびると困るので、今日は飯坂へ立つことにする。
二時の汽車のつもりで買物のために早く出たら、十二時のに間に合った。福島へ着くと、自動車がなかなか出ない。四時すぎまで待たなければならないので、市を一寸見る。流石に大きい。けれども誰かが汽車の子だと云った軽便が地面を這うようにして通って居るのは、堂々とした日本銀行支店とあまり対照が滑稽である。