Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
彼は確かにそうかと念を押すと、お元はそれに相違ないと云い切った。しかし彼女の顔色がだんだん灰色に変って。もう死んだ者のようになってしまったのが半七の注意をひいた。彼はどうしても此の女の申し立てを信用することが出来なかった。
「もう一度きくが、たしかになんにも知らねえか」
「存じません」
「よし、どこまでも隠し立てをするなら仕方がねえ、ここで調べられねえから一緒に来い」
彼はお元の手をつかんで引っ立てて行こうとすると、奥から五十ばかりの女があわてて出て来て半七の袖にすがった。彼女はお元の母のお石であった。
「親分さん。どうぞお待ちくださいまし。わたくしから何もかも申し上げますから、どうぞ此女はお赦しねがいます」
「正直に云えば上にもお慈悲はある」と、半七は云った。
「実はその政吉はわたくしの甥で、瓦職人をいたして居ります。この娘と行くゆくは一緒にするという約束もございましたが、いろいろの都合がありまして、娘も唯今では他人さまのお世話になって居りますような訳でございます。その政吉が昨晩たずねてまいりまして、娘やわたくしと火鉢の前で話して居りまして……。実のところ、下谷の旦那はなかなか吝っていらっしゃる方で、月々の極めた物のほかには一文も余計に下さらないもんですから、この寒空にむかってほんとうに困ってしまうと、娘やわたくし