Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
四
格子をがらりと明けてはいると、長火鉢の前に一人の男が坐っているんです。師匠よりは七八歳も若い、四十ぐらいの色のあさ黒い男でした。その男の顔をみると師匠はひどくびっくりしたように、しばらく黙って突っ立っていました。なにしろ、客の来ているのは私に取って勿怪の幸いで、それをしおに早々に帰って来ました」
「ふうむ。そんなことがあったのか」と、半七は腹のなかでにっこり笑った。「一体その男は何者だか、おまえさんはちっとも知らねえか」
「知りません。女中のお村の話によると、なんでも師匠と喧嘩をして帰ったそうです」
その以上のことは弥三郎もまったく知らないらしいので、半七もここで切り上げて彼と別れた。
「きょうのことは、誰にも当分沙汰なしにして置いてくんねえよ」
四
寺の門を出ると、半七は松吉に逢った。
「親分の家へ今行ったら、ここの寺へ来ていると云うから、すぐに引っ返して来ました。きのうもあれから万年町の方をすっかり猟ってみたが、どこにもそんな御符売りらしい奴は泊っていねえんです。それからそれと探し歩いて、ようよう今朝になって本所の安泊りに一人いるのを見付けたんですが、どうしましょう」