Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
「ふむう。猫婆が猫になった……。それも何か芝居の筋書きじゃあねえか」
「いいえ。これはほんとうで、嘘も詐りも申し上げません。ここの家のおまきさんはまったく猫になったんです。その時にはわたくしもぞっとしました」
恐怖におののいている其の声にも顔色にも、詐りを包んでいるらしくないのは、多年の経験で半七にもよく判った。かれも釣り込まれてまじめになった。
「じゃあ、おまえもここの婆さんが猫になったのを見たのか」
確かに見たとお初は云った。
「それがこういう訳なんです。おまきさんの家に猫がたくさん飼ってある時分には、その猫に喰べさせるんだと云って、七之助さんは商売物のお魚を毎日幾尾ずつか残して、家へ帰っていたんです。そのうちに猫はみんな芝浦の海へほうり込まれてしまって、家には一匹もいなくなったんですけれど、おふくろさんはやっぱり今まで通りに魚を持って帰れと云うんだそうです。七之助さんはおとなしいから何でも素直にあいあいと云っていたんですけれど、良人がそれを聞きまして、そんな馬鹿な話はない、家にいもしない猫に高価い魚をたくさん持って来るには及ばないから、もう止した方がいいと七之助さんに意見しました」