Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
実はこの方から内々のお頼みをうけた筋がある。なにぶん表沙汰にしては工合が悪いので、どこまでも内密に探索して貰いたいとおっしゃるのだから、あなたから詳しい話をうかがって、節季前に気の毒だが一つ働いてくれと……。わたくしも御用のことですから委細承知して、その角右衛門という人の話を聞くと、そのあらましはこういう訳なんです」
きょうから八日前のことであった。例年の通りに、お茶の水の聖堂で素読吟味が行なわれた。素読吟味というのは、旗本御家人の子弟に対する学問の試験で、身分の高下を問わず、武家の子弟が十二三歳になると、一度は必ず聖堂に出て四書五経の素読吟味を受けるのが其の当時の習慣で、この吟味をとどこおりなく通過した者でなければ一人前とは云われない。吟味の前月までに組々の支配頭へ願書を出しておくと、当日五ツ半(午前九時)までに聖堂に出頭せよという達がある。それを受け取った何十人、年によっては何百人の男の児が、当日打ち揃って聖堂の南楼へ出て、林図書頭をはじめとして諸儒者列席の前に一人ずつ呼び出され、一間半もある大きい唐机の前に坐って素読の試験を受けるのである。