Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
「親分。どうでした」
「あの女中はまだ若いようだな。十七八か」と、半七はだしぬけに訊いた。
「十七だということです。だが、あいつが真逆やったんじゃあありますまい」
「むむ」と、半七は考えていた。「だが、なんとも云えねえ。おめえだから云って聞かせるが、師匠は蛇が殺したんじゃあねえ。人間が絞め殺して置いて、あとから蛇を巻きつけたに相違ねえ。お前もそのつもりで、あの女中は勿論のこと、ほかの出入りの者にもよく気をつけろ」
「じゃあ、死んだ者の執念じゃありませんかね」と、源次はまだ疑うような眼をしていた。
「死んだ者の執念もかかっているか知れねえが、生きた者の執念もかかっているに相違ねえ。おれはこれからちっと心当りを突いて来るから、おめえも如才なくやってくれ。そこで、どうだろう。あの師匠はちっとは金を持っていたらしいか」
「あの慾張りですからね。小金を溜めていたでしょうよ」
「情夫でもあった様子はねえか」
「この頃は慾一方のようでしたね」
「そうか。じゃあ、なにしろ頼むよ」
云いかけてふと見かえると、家の前に立ってこわごわと覗いている大勢の群れから少し離れて、一人の若い男がこっちの話に聴き耳を立てているらしく、時々に偸むような眼をして二人の顔色を窺っているのが半七の眼についた。