Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
多吉に頼んでその盗賊を取り押えて貰ったら、又なんとか助かる工夫もありそうなものだと、彼はすぐにこの部屋に転げ込んで来たのであった。
その話を聴いて半七と多吉は顔をみあわせた。
「しかし旦那は立派な覚悟だ。それよりほかにしようはあるめえ。おまえさんも尋常に覚悟を決めたらどうだね」と、半七は云った。
「そんなことを云わねえで、後生だから助けておくんなせえ。この通りだ」と、七蔵は両手をあわせて半七を拝んだ。根が差したる悪党でもない彼は、もうこうなると生きている顔色はなかった。
「それほど命が惜しけりゃあ仕方がねえ。おめえはこれから逃げてしまえ」
「逃げてもようがすかえ」
「おめえがいなければ旦那を助ける工夫もある。すぐに逃げなせえ。これは少しだが路用の足しだ」
半七は蒲団の下から紙入れを出して、二分金を二枚ほうってやった。そうして、自分の座敷へは戻らずに、すぐに何処へか姿をかくせと教えると、七蔵はその金をいただいて早々に出て行った。
半七は着物を着換えて、奥の下座敷へたずねて行こうとすると、階下の降り口で宿の女中のうろうろしているのに逢った。
「おい。お役人衆はもうお引き揚げになったかえ」