Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.540 caratteri · 319 schermate
「そうか。もう検視は済んだろうな。そこで、下手人の当りはあるのか」
「どうも判らねえようです」と、善八は云った。「なにしろ嬶はとりみだして、気ちがいのように泣いているばかりだから、何がなんだかちっとも判らねえようですよ」
「泣くのは上手だろうよ。女郎上がりだからな」と、半七はあざ笑った。「ところで善ぱ。おめえはこれから鳥越へ行って、煙草屋の伝介はどうしているか、見て来てくれ」
「あいつを何か調べるんですかえ」
「ただその様子を何げなしに見て来りゃあいいんだ。まご付いて気取られるなよ」
「ようがす。すぐに行って来ます」
「しっかり頼むぜ」
善八を出してやって、半七はすぐに本所へ行った。きのうは弟の葬式を出して、きょうはまた兄貴の死骸が横たわっているのであるから、近所の人たちは呆れた顔をして騒いでいた。表にも大勢の人が立って店をのぞいていた。その混雑をかき分けて店へはいると、女房のお留は町内の自身番へ呼び出されたままで、まだ帰されて来なかった。きのうの葬式で近所の人とも顔なじみになっているので、半七はそこらにいる人達から徳蔵の死について何か手がかりを聞き出そうとしたが、どの人もただ呆気にとられているばかりで、何がなにやらよく判らなかった。