Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
父としてはこう云うのが当然であると、長三郎も思った。蝶の詮議などはしょせん一種の物好きに過ぎない。それよりも姉のゆくえ詮議が大事であると考えたので、彼は父とあしたの探索の打ち合わせをして寝床にはいった。しかも彼は眼が冴えて眠られなかった。どうでもいいとは思いながらも、やはり彼は蝶のことが気にかかってならない。お冬と白い蝶と、その二つを結び付けて、彼はなんとかしてその謎を解こうと試みたが、結局は無駄な努力に終った。
長三郎が眠られないあいだに、おなじく眠らない人があった。それは吉五郎の子分の留吉で、彼は寺のひと間に衾をかぶって、そら寝入りをしながら寺内の様子を窺っていた。
一一
医者の診察によると、留吉の怪我は幸いに差したることでも無かった。しかし吉五郎は寺の納所にたのんで、あしたの朝は駕籠を迎いに遣すから、今夜だけはここへ寝かして置いてくれと云った。寺では少しく迷惑らしいようであったが、相手が相手であるから情なく断わるわけにも行かないので、結局承知して吉五郎を帰した。
さっきからよほどの時を費したので、今さら墓場の探索をするのも無駄だと諦めて、吉五郎はそのまま表へ出た。