Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
女は確かに草鞋を穿いていたに相違ねえ。おれもよく調べて見なけりゃあ判らねえが、佐藤という旗本はお近が深川にいる時からの馴染かも知れねえ。留の話によると、佐藤は三年ばかり長崎へお役に出ていて、去年の秋に江戸へ帰って来ると、お近はそのあとから付いて来たと云うのだ。してみると、お近も長崎へ行っていて、佐藤と一緒に引き揚げて来たのだろう。おれ達が鵜の目鷹の目で騒いでも知れねえ筈よ、相手は遠い長崎の果てに飛んでいたのだ」
云いかけて、吉五郎は俄かに表へ耳をかたむけた。
「なんだか騒々しいようだぜ。火事かな」
兼松はすぐに立って往来にむかった肱掛け窓をあけると、うららかな春の町を駈けてゆく人々のすがたが乱れて見おろされた。
「弥次馬が駈け出すようですね。なんだろう。ちょいと見て来ます」
云いすてて兼松は階子を降りて行ったが、やがて引っ返して来て仔細ありげにささやいた。
「江戸川橋の下へ死骸が浮き上がったそうですよ」
「死骸が……」と、吉五郎も眼をひからせた。「女か」
「若い女だそうです。何でも十八、九の……」
「十八、九か」
「なにしろ直ぐに行って来ましょう」
「むむ。おれも後から行く」