Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
外神田に万屋という蝋燭問屋がある。そこは養父の代から何かの世話になって、今でも出入りをしている店であるので、半七はその前を通ったついでに、無沙汰ほどきの顔を出すと、番頭の正兵衛が帳場に坐っていた。半七も店に腰をかけて、世間話を二つ三つしているうちに、正兵衛は声をひそめて云った。
「ねえ、親分。この頃はお城のなかにいろいろの事があるそうですね」
金蔵破りは勿論、東照宮のお使一件も、皆ここらまで知れ渡っているのである。半七も先ずいい加減に挨拶していると、正兵衛は又云った。
「お城のお玄関に突っ立った男は、川越の次郎兵衛というのだそうですね」
恐らくお城坊主などが面白半分に吹聴するのであろうが、世間ではもう次郎兵衛の名まで知っているのかと、半七もいささか驚いていると、正兵衛は続けてささやいた。
「御承知でもありましょうが、この町内の番太郎に要作というのが居ります。女房はお霜といいまして、夫婦ともに武州川越在の者で、八年ほど前からここの番太郎を勤めて居りますが、二人ながら正直者で町内の評判も宜しゅうございます。その要作に次郎兵衛という弟がありまして……」
川越の次郎兵衛、その名を聞かされて半七も俄かに眼をひからせた。