Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
不人情な事をするなよ」と、坂部は笑いながら行き過ぎた。
冗談のように云ってはいたが、坂部は半七の怠慢を責めたのである。不人情と責められては、いよいよ捨て置かれなくなったので、彼はその晩、子分の亀吉を自宅へ呼び付けた。
「おい。御苦労だが、二、三日の旅だ。船に乗ってくれ」
「船へ乗って何処へ行きます」
「花川戸から乗るのだ」
「川越ですか」と、亀吉はうなずいた。「なにか見当が付きましたかえ」
半七から今日の話を聞かされて、亀吉は又うなずいた。
「ようがす。そんな事なら訳はありません。わっし一人で行って来ましょう」
「二人で道行をするほどの事でもあるめえ。よろしく頼むぜ」
相当の路用を渡されて亀吉は帰った。あくる日の午過ぎに、半七は再び外神田の自身番を見まわると、五平は待ち兼ねたように訴えた。
「どうも困ったものです。きのうもお前さんにあれほど云い聞かされたのに、番太の女房はゆうべも夫婦喧嘩をはじめて、女房はどこへか出て行ってしまったそうで……」
「きょうになっても帰らねえのか」
「帰りません。亭主の要作も心配して、もしや身でも投げたのじゃあ無いかと、町内の用を打っちゃって置いて、朝から探して歩いているのです」