Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
どこからか届けて来たと云うのである。商売柄でこんな遣い物を貰うのは珍らしくない。すぐに茶をいれさせて、半七ら三人は鮨を喰いはじめると、そのそばで女房がこんなことを話し出した。
「わたしが今、お湯の帰りに自身番の前を通ると、雨が降るのに人立ちがしているから、なんだろうと思って覗いてみると、隣り町のしん吉のおっかさんが自身番へ駈け込んで、おいおい泣いているのよ」
しん吉というのは落語家しん生の弟子で、となり町の裏に住んでいる。年は二十四、五で、男前は悪くないが芸が未熟であるために、江戸のまん中の良い席へは顔を出されず、場末や近在廻りなどをして、母のおさがと二人で暮らしている。それでも芸人の端くれであり、且は近所でもあるので、半七はしん吉親子の顔を識っていた。
「しん吉のおふくろは何を泣いているのだ」
「それがね。なんだか取り留めのない話のようだけれども、おっかさんは一生懸命に泣いて騒いでいる。と云うのは、しん吉は先月から甲州街道の方角へ稼ぎに行って、月ずえには江戸へ帰る筈のところが、今月になっても便りがない。おっかさんも毎日心配していると、おとといの晩、おっかさんが変な夢を見たんだとさ」