Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
祭りの済んだ後といい、この天気に道中の旅びとも少ないとみえて、ここの二階はがら明きであった。
このあいだの遊山旅とは違うので、風呂にはいって夕飯を済ませた後に、半七は宿の亭主を二階へ呼びあげて、自分たちの身の上を明かした。
「この宿に釜屋という同商売があるね」
「はい。手前共から五、六軒さきでございます」
「すこし訊きたいことがあるから、釜屋の亭主を呼んで来てくれ」
「はい、はい」
亭主はかしこまって、早々に釜屋の亭主文右衛門を呼んできた。文右衛門は四十五、六の篤実らしい男であった。江戸の御用聞きに呼び付けられて、彼は恐るおそる挨拶した。
「手前は釜屋文右衛門でございます。なにか御用でございましょうか」
「早速だが、この五日の闇祭りの晩に、おめえの店の女客が一人消えてなくなったそうだね。きょうでもう五日になる。まだなんにも手がかりはねえのかね」
「四谷坂町の伊豆屋のおかみさんが見えなくなりまして、手前共でも心配して居るのでございますが、まだなんにも手がかりがございませんので、実に困って居ります。なにぶんにも当夜は百四五十人の泊まり客で、二階も下もいっぱいの混雑、殊に火を消した暗闇の最中で、何がどうしたのか一向に判りません」