Classici giapponesi con furigana
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Leggi 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.300 caratteri · 202 schermate
「いいえあたしは大丈夫ですよ」おせんは煎じ薬のかげんをみながら、かなりきっぱりした口ぶりで云った、「……お祖父さんだってそんなに手が掛るわけじゃあないし、近所の人たちが、よくみに来て呉れるのですもの、ちっともたいへんでなんかありゃあしません」
「それも十日や二十日はいいだろうがね」
幸太はもっとなにか云いたそうだったが、おせんのようすがあまりきっぱりしているので口を噤み、間もなく見舞いの物を置いて帰っていった。……それをきっかけのように幸太はまたしばしば来はじめた、「中風によく利く薬があったから」とか「少しばかりだがこれを喰べさせてやって呉れ」とか云いながら、そして源六に薬を飲ませたり、額の濡れ手拭を絞りなおしたり、時には足をさすったりした。
「なにか不自由なものがあったら、遠慮なくそう云って呉んな」幸太は帰りがけにきまってこう云った、「……困るときはお互いさまだ、おれにできることならよろこんでさせて貰うからな、ほんとうに遠慮はいらないんだぜ」
「ええ有難う」
おせんはそう答えるが、伏し眼になった姿勢はそういう好意を受ける気持のないことを頑なほど表明していた。