Classici giapponesi con furigana
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Leggi 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.300 caratteri · 202 schermate
地震は二十五日まで繰り返し揺ったが、二十六日に雨が降ってようやく歇むと、安房や上総では津浪があって十万人死んだとか、小田原がいちばん激震で何千人いっぺんに潰されたとか、色いろ恐ろしい噂が次から次へとひろまりだした。……こうして二十九日になった夜、四五日つめてした仕事がようやく片付いたので、おせんは珍しく宵のうちに寝床へはいった。地震の恐ろしさが解けたのと、仕事の疲れが出たのであろう、床にはいるとすぐ、なにも知らずにぐっすり熟睡した。あんまりよく眠ったせいだろう、それほど更けたとも思えない頃にふと眼がさめた。そして眼のさめたときの習慣で、お祖父さんのほうへふり向いた。するとそこには枕紙が白く浮いて見えるだけで、夜具の中にはお祖父さんがいなかった。
おせんは身を起こした、たぶん後架だろうと考え、そちらへ耳を澄ましていると、戸外のひどい風の音に気がついた、いつ吹きはじめたものかひじょうな烈風で、露次ぐちにある棗の枯枝や庇さきがひょうひょうとうめき、地震でゆるんだ雨戸や障子はもちろん、柱や梁までがみじめなほどきいきいと悲鳴をあげていた。そのうちにおせんは、店のほうに灯あかりが揺れているのに気づいた、なぜともなくどきっとして、寝衣の衿をかき合せながら立っていってみると、被をかけた行燈のそばに、源六が前跼みになって