Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
風の音がする、黄色い花片が眼の前で揺れて二重にも三重にもなる。突然なまぐさいものが咽喉から口腔いっぱいに拡がって来た。
――宇治中尉殿、宇治中尉殿。
耳のすぐ側で高城が大きな声を出して呼んでいる。その声が遠のくように急に弱まって、ふいにあたりがしんとなる。雲母の膜を剥がすように、風景の遠い部分から順々に千切れて見えなくなる。……
四周にはもはや霧が立ちこめていた。河面だけが暮れのこり、風は磧の石の上をぼうぼうと吹いた。花田の死体から二間ほど隔たり、服の胸に赤く血を滲ませ、堤の斜面に頭を下にした姿勢のまま、手足から感覚が次々脱落して行くのを感じながら、宇治は次第に意識を失って行った。
夕闇はそこにも落ちた。