Classici giapponesi con furigana
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あしたはメーデー
槇村浩詩集
槙村 浩
Leggi 槇村浩詩集 (あしたはメーデー) di 槙村 浩 (まきむらこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.095 caratteri · 51 schermate
明日はメーデー
古ぼけたぜんまいがぜいぜいと音を立てて軋る
もう十二時になるのに
あなたはまだ帰ってこない
くすぶった電球の下で
私はもう一度紙きれを拡げてみる
―――八時までにはかならず帰る
待っていてください T
前の道路を行くヘッドライトが
急に大きく
ぽっかりと障子にうつる
私はぎっくりして
寒い下着の襟をかき合わす
あなたはもう帰ってこない
あなたはセンイのオルグ
朝の四時
氷柱を踏んで私たちが工場へ急ぐ時
あなたはニコニコ笑いながら
電柱のかげからビラを渡してくれた
――賃銀三割値上げしろ!
――労働時間を七時間に!
――鬼のような見番制を廃止しろ!
――外出、外泊、通信の自由をよこせ!
――全協日本センイ××(1)分会の確立へ!
ゴジックで大きく書かれたその文句は
焼けつくように私の眼頭にしみ込んだ
毎日毎日
あなたは電柱のかげに立っていた
氷雨の降る朝でも
破けた傘にチビけた駒下駄をはいて
あなたは根気強くビラを渡してくれた
「ありがとうよ」
そういってビラを取る私たちの胸に
あなたの姿はなんというなつかしい印象を残したか
字なみの揃ったインクのかおりは
苦しい生活のなかで
どんなにか私たちを力づけた