Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
七十郎は自分で「うん」と頷き、ぐっと盃を呷ってつづけた。
「ところでここに敵があらわれた、しかも面と向かって、真正面から挑戦の矢を射かけた、発止とね、万全の座が崩れた、これで原田さんも人間だったということがわかったわけさ、面白くなるぞ」
「船岡どのは」と十左が、七十郎には構わず甲斐に向かって云った、「さきほど米谷どのに御意見を述べられましたが、あれは御本心でございますか」
「そら、二ノ矢だ」と七十郎が云った。
「そこもとは黙ってくれ」と十左が云った。
「その話しはよそう」と甲斐が云った、「朝粥の会に政治の話しは困る、米谷どのにぜひと云われて、やむを得ず当座の思案を述べてしまったが、私はその職でもないし、むずかしいことはわからない」
「しかし金山の帰属ということが問題になれば、御評定役としてその衝に当らなければなりますまい」
「それは御一門、御一家の意見による」
「御評定役の係りではないと仰しゃるのですか」
「もういちど云うが」と甲斐が穏やかに云った、「そういう重い問題については、御一門、御一家の意見がさきで、国老がその判定をするか、評定役の当番になるかは、その意見によってきまるのでしょう」