Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
お六は調子づくと、少し嵩にかかる癖があります。
「その与茂吉が、御主人を怨むわけでもあったのか」
「それはもう、――金杉の竹松親分も、それを言うんです」
「?」
「お嬢さんは、巴屋の一人娘でしょう。そのお婿さんにする筈で、三年前に引取った与茂吉さんを、ようやく年頃になると、あんまり気が弱過ぎて、娘の婿にはたよりないと言い出し、いつまで経っても一緒にしてくれないばかりでなく、近頃は与茂吉さんを追い出そうとしているんですもの、与茂吉さんだって、そりゃ面白くないこともあるでしょうよ」
「――――」
「でも、あの人は、どんなに腹を立てても人なんか殺せるわけはありません。崖の下から、蚯蚓が這い出してさえ、高輪中に響くほどの騒ぎをおっ始める人ですから」
「外に、主人を怨んでいる者はないのか」
「そりゃ人間ですもの、どこで怨みを買うか、わかりゃしません。ことに奉公人なんてものは、主人が良くして下されば良くして下さるにつけても、何んとか不足がましいことを言うもので」
この女は、なかなかの哲学を心得ております。この二十五六の大年増、中低の盤台面で、いささか肥り肉で、非凡の不きりょうですが、座持がよく唄がうまいほかに、何んとなく一種不思議な魅力を感じさせる女です。