Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
五
を下駄にして鞣した皮の緒をすげた、江戸でも通の通人が穿くはき物だ。あいつで土を踏んじゃもったいない、癲癇を起したとき、頭の上へ載っける代物だ」
八五郎はすぐ様そんな事まで気が付いていたのです。仙台の殿様が伽羅の下駄を履いたという時代、はるか隔っては天保年間のお女郎は、下駄へ行火を仕掛けたと言う時代です。江戸の贅沢階級の人が、履物にどんな贅沢をやったか、今の人の想像以上のものがあったでしょう。
五
「八、来い」
平次は日本橋を出ると、いきなり通り二丁目の方へ進みました。
「どこへ行くんです、親分」
「あの百姓老爺の履いたとかいう下駄は、江戸ッ子の贅沢人間の穿くものだ。それも山の手の人間じゃねえ、中年過ぎの男で、そんな下駄を履くのは、日本橋ッ子か、下町の金持か、芸人衆に限ったことだ――。ところで、沢屋の主人は、娘のお琴に、近ごろ面白いことを言ったそうじゃないか、二千両の借金のことは、やがて向うから折れてすむだろう、橋の欄干を渡るまでもない、浅田屋の方から近い内に折れて来るだろうと――」
「――――」
「その浅田屋に行くんだ、来い、八」
平次は通り二丁目の裏通りへ入って、金はあるくせにまだ裏店住いの浅田屋を訪ねました。