Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
五
「いえ、少しも」
お常は極めて自然に無造作に頭を振ります。
五
養子の幸吉は小柄で一応は小才がききそうですが、こんなのは案外正直で、世間並で平凡過ぎる人間かもわかりません。
養父の万兵衛と仲の良くなかったことは、本人の幸吉も承認しておりますが、あとはお常のいったこと以上なんにも知っていず、この男の賢さは付け焼刃で、個性も洞察も推察力もなんにも持っていないことを、やがて平次も知り尽してしまいました。
「お萩が行方不知になった晩、お前は確かに店にいたことだろうな」
「番頭と帳合に忙しくて、夕方から一歩も外へは出ません。忠助どんに訊いて下さい」
「そのとき主人はどこにいたのだ」
「土蔵の中でしょう」
「何?」
「大きい方の土蔵の中を修復して、書画骨董などを片付けるのだそうで、一と月も前から棟梁の佐太郎一人だけを入れて働かせておりました。私も番頭もお常さんでさえも、土蔵へは入れないことになっておりました」
「それはどういうわけだ」
「金銀などを扱うから、人には見せたくないといっておりました。あの晩も多分そんな片付けをしていたのでしょう――親父は夜分でもちょいちょい一人で土蔵へ行って仕事をしました」