Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
その私が、今断罪せられる直前に当って、この手記を綴る――被告は何か自己の有利のために、陳述する意志はないか、という裁判長ゾルフ・マーラ判事の言葉に従って、この最後の陳述を書く。私の死後この手記を読む人々は、定めし異様な感じを懐くに違いない。そして私を憫笑して、あれほど昂然と自己の所信を固執していたアレサンドロも、ついに死の直前に至って死を恐怖するのあまり、なんとかして自己の罪の軽減をはかるべく、あがきもがいたものだろうと嘲るかも知れぬ。またそう考えることは、過去における幾多の死刑囚の書いた、懺悔告白の記録から見て、当然なことであろうと考える。
事実、私の読んだ狭少な範囲内においても、かつてそうした懺悔文を書き告白記録を遺した死刑囚の中で、自己の罪の軽減をはかろうと企てなかった者とては、ただの一人もなかったであろう。ある者は、それによって自己の罪をごまかそうと企んだり、ある者は安価に悔悟して、救いを浅薄な宗教に求めたり、またある者は裁判官や民衆に媚びて、自己の死後の名前を幾分なりとも有利にしようともくろんだり、いずれを見ても窮鼠の心情の哀れさを、紙の上に反映しなかったものとてはただの一つもない。