Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
しかし月の夜は月の夜で、雨の降る日は雨の降る日で、雪の朝は雪の朝で、みんなそれぞれに楽しく、その道は私にとってはまったく胸躍らせて行く、懐かしい思い出の道であったことを覚えている。
それほどに親しいフロールと私とであったが、ある年の謝肉祭前後のことであった。学校はその年の創立記念日の催しとして、町の来賓や生徒の父兄たちを招待して、出来のいい生徒を指名して学芸会を開くことになっていた。そしてフロールと私とは、拉丁語でディオゲネスか何かの対話をすることを、受持ちの教師から指名されていた。その学芸会へ出る生徒の名前が教室で順々に発表されて、やがて私の番に廻ってきた時、どんなに極り悪げにしかし幾分の誇らしさをもって、私はフロールの方へ視線を送ったことであったか! 今でもまだその時の胸の鼓動を覚えている。確かフロールも羞ずかしげにしかし嬉しげに、私の方へ瞳を送り返してくれたように思われた。……と、私には感ぜられたのであったが、ちょうどその日の放校間際であった。私はその対話中の一カ所に不審な点があって、それを質すべく受持ちの教師の姿をここかしこと、学校中に探し求めた挙句、やっとのことで向い側の物理教室の扉の陰に見出すことができた。