Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
「ハムラ、恐ろしいことです。みんな類人猿の仕業です! 類人猿のしたことに違いありません」
と、さすがに心ない土人たちの眼にも、この無残たらしさだけは正視することができなかったとみえて、いずれも顔を背けながら口々に喚き立てた。もちろん土人たちに教えられずとも、類人猿にあらずして何者がかくまでも惨酷なる殺戮をなし得たであろう。その屍体をそのままにしている点から言っても、鋭い爪のあとから見ても、凄まじい嗜虐的な殺しかたから見ても、この婦人を襲うたものが獅子や虎のごとき単なる食肉性の猛獣ではなくて、最も人間に近いゴリラに相違ないことは深く私にも頷かれたが、しかも、この人煙皆無の地に――最も近き土人部落すらも、九百哩の重畳たる密林の幾峻嶮を越えたビイサウの町のみであるこの人跡未踏の地に、どうしてこういう美しい白人婦人の姿が見受けられたのであろうか。
葡領アンゴラは最も白人の少ないところであって、ロアンダ、ベンゲラの海岸都会地方においてすらも、白人の住するものは近々数千人にすぎなかった。いわんや婦人にいたっては寂々寥々たるものであった。いわんや殊にこんな花恥ずかしき美婦人においてをや! そして寡聞にして私は自分がベンゲラ滞在中には、いまだ白色婦人の行方不明になった事件のあったのを聞いたことがなかった。