Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
しかも旅行者として見ればその同伴者のないことも不思議なれば、馬匹食糧等のあたりに散乱しているものもないことが、いかに考えてみても解せぬ謎であった。
まるで白昼にまぼろしを描いているような気持で、なおも私は茫然としてその場に佇んでいたが、ちょうどその途端であった。
「ハムラ! ハムラ! こういうものが落ちていました……」
と、その辺を眺めていた土人が、一冊の帳簿らしいものを拾い上げて来た。おそらく死ぬ間際まで、この婦人の手放さなかったものであろうか。羊皮の表紙に一杯ドス黝い血がこびりついて、六吋に四吋ぐらいの合判の帳面であったが、綴糸はきれて頁はバラバラになっていた。生前つけていた婦人の日記帳と見えて、中には日付の下に英文でビッシリと何か丹念に書きつけてあった。一目で屍体となっているこの婦人が、英国婦人である身の上を物語っていたが、頁がどのくらい散逸しているものか、そして中には英文でどういうことが書きつけてあるものか、そんなことを調べている間もなく、
「ハムラ! こんなものも落ちていました」
と、さらにもう一人の土人人夫が妙なものを差し出して来た。阿弗利加樫の二枚の板であったが、どう見てもやはり婦人の持ち物としか思われず、しかもそれは何と考えてみても、三号ぐらいの大きさの油絵のスケッチ板としか思われぬものであっ