Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
が、しかし、父の代から勤めて、父の死ぬ時には懇々私の輔佐を頼まれ老いてもなお矍鑠として銀行の業務一切を取り仕切っているこの老人に向っては、真っ向から反対するわけにもいかず、
「いいじゃないか、マジャルドー、そんなわずかな金くらいのことは!」と、私はニヤニヤしながら煙管を磨いていたのであった。「お前の親切はよくわかっているが、俺だって子供じゃあるまいし、お前の眼から見たら剣呑かも知れんが、まあ、俺の家庭のことだけは俺に任せといてくれ」と適当に宥めて、この煙たいオヤジを帰してしまうのであった。
マジャルドーの忠告に、充分聴従すべきものがあることは私にもよくわかっていたが、しかし、そんなことなぞは初めから覚悟していたことであるし、それに今となってはもう私は、この妻なしでは生きてゆくこともできぬくらい、ドローレスに打ち込んでしまっているのであったからその私にとって、マジャルドーの危惧している物質上の問題なぞは、何の関心でもあり得ないのであった。そんなことよりも今の私にとって一番の悩みだったのは、何と高慢チキなことを言おうとも結婚さえしてしまえば、妻の肉体は私の思いのままと高を括っていた私の楽観を裏切って、ドローレスが最初の約束を真っ向から実行に移してきたことであった。