Classici giapponesi con furigana
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ははおや
母親
若杉 鳥子
Leggi 母親 (ははおや) di 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7750 caratteri · 16 schermate
――兄さんにはあまり楯ついちゃいけない、彼は病人だから。その人がいくら動くのを好まなかった処で、すべての情勢は決して彼を動かさずにはいないのだ。それからもし、いってもいいのだったら、あのやさしいお母さんに俺からよろしくとつたえてくれ。」
彼女は涙を一ぱい溜めてそれを読んだ。
あの蝙蝠(こうもり)のような暗い男の何処に、こんな優しい愛情があったのだろう――
終わりの方には、何の本を差入れてくれとか、汚れたものを宅下げしたとか書いてあった。
それで山崎が何処にいるかということが、母親にも大てい解った。
みを子からはその後何の消息もなかった。
するとある日母親は、銭湯で近所のおかみさんから呼びかけられた。
「此のつい四五日前、私んとこの娘が、お宅のみをちゃんに逢ったっていってましたんですよ。」
「えッ何処で、みを子に――」
「それがさ、亀戸の先の方でなんですよ。」
「人違いじゃありませんかね……」
「いえ、うちのはみをちゃんと学校が六年間も一緒でしたものね。」
「で、娘は、どんな風をして居りました?」
「日本髪に結って、お弁当箱をもって、何でも女工さん達と一緒に歩いてましたって……」