Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えいじつしょうひん

永日小品

夏目 漱石

Leggi 永日小品 (えいじつしょうひん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.000 caratteri · 100 schermate

Aozora Bunko

老令嬢が出て行ったあとで、自分とK君はたちまち親しくなってしまった。K君の部屋は美くしい絨が敷いてあって、白絹の窓掛が下がっていて、立派な安楽椅子とロッキング・チェアが備えつけてある上に、小さな寝室が別に附属している。何より嬉しいのは断えず煖炉に火を焚いて、惜気もなく光った石炭を崩している事である。

これから自分はK君の部屋で、K君と二人で茶を飲むことにした。昼はよく近所の料理店へいっしょに出かけた。勘定は必ずK君が払ってくれた。K君は何でも築港の調査に来ているとか云って、だいぶ金を持っていた。家にいると、海老茶の繻子に花鳥の刺繍のあるドレッシング・ガウンを着て、はなはだ愉快そうであった。これに反して自分は日本を出たままの着物がだいぶ汚れて、見共ない始末であった。K君はあまりだと云って新調の費用を貸してくれた。

二週間の間K君と自分とはいろいろな事を話した。K君が、今に慶応内閣を作るんだと云った事がある。慶応年間に生れたものだけで内閣を作るから慶応内閣と云うんだそうである。自分に、君はいつの生れかと聞くから慶応三年だと答えたら、それじゃ、閣員の資格があると笑っていた。