Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あぶらじごく

油地獄

斎藤 緑雨

Leggi 油地獄 (あぶらじごく) di 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.624 caratteri · 69 schermate

Aozora Bunko

一

一

大丈夫まさに雄飛すべしと、入らざる智慧を趙温に附けられたおかげには、鋤だの鍬だの見るも賤しい心地がせられ、水盃をも仕兼ねない父母の手許を離れて、玉でもないものを東京へ琢磨きに出た当座は、定めて気に食わぬ五大洲を改造するぐらいの画策もあったろうが、一年が二年二年が三年と馴れるに随って、金から吹起る都の腐れ風に日向臭い横顔をだん/\かすられ、書籍御預り申候の看板が目につくほどとなっては、得てあの里の儀式的文通の下に雌伏し、果断は真正の知識と、着て居る布子の裏を剥いで、その夜の鍋の不足を補われるとは、今初まったでもないが困った始末、ただ感心なのはあの男と、永年の勤労が位を進め、お名前を聞さえが堅くるしい同郷出身の何がし殿が、縁も無いに力瘤を入れて褒そやしたは、本郷竜岡町の下宿屋秋元の二階を、登って左りへ突当りの六畳敷を天地とする、ことし廿一の修行盛り、はや起をしば/\宿の主に賞揚された、目賀田貞之進という男だ。

貞之進の志ざす所は法学にあるが、もと/\口数の寡い、俗にいう沈黙の方で、たまたま学友と会することがあっても、そうだ