Classici giapponesi con furigana
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かいひんそうのさつじん
海浜荘の殺人
山本 周五郎
Leggi 海浜荘の殺人 (かいひんそうのさつじん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8672 caratteri · 18 schermate
むろんそれは表向で実はこの土地に隠れて居り、荒木と井上へ別々に発見されるようにして脅迫状を送ったのです。彼等は貴女に恩をきせようとして、互いに競争するでしょう、それは詰り却って貴女に彼等を疑わせる事になるのです。――事実、貴女は彼等を疑いました。そこで苅田は、偽筆の手紙で三人を一本松へ誘い出し、その留守にあの恐ろしい事をやってのけたのです。
僕も、実は昨夜までは三人が怪しいと思っていました。何か仕出来しはしないかと注意していたんです。若し苅田の方に気がついていたら、子爵をお救いする事が出来たでしょうに、……それを思うと残念です」
「でもお礼を申しますわ。本当を云うとあたし貴方を疑っていましたの、馬鹿でしたわねえ」
「せめてもの慰めは、子爵の仇を其場で発見する事が出来たことです。――苅田も悪人に似合わぬ愚者でした。あの足台と鍵。執事としての日頃の習慣が、彼を自滅させたのです。それからあの一番列車、――」
「一番列車が?」
「沼津で脱線したなんて嘘でした。それは奴が一番列車で本当に来たかどうかを試す罠だったのですよ」
「――まあ」
「ねえしいちゃん」
千之が云いかけるのを、志津子がそっと遮りながら云った。