Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆしまもうで

湯島詣

泉 鏡花

Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

「誰が打たれに、……」

梓は俯向いて、犬の天窓をこれ見よがし。

「厭よ、厭よ、私は厭ですよ。そんなもの、打っちゃらかしておしまいなさいなねえ。」

「恐いな、どこかの姐さんが、打っちゃらかしておしまいなさいなねえッて言ってるよ。」

「焦れッたいねえ。」

梓は笑いながら犬の前足を取って伸すと、飼犬は口を開けて、目を光らして、わッ!

「悔しがってるじゃあないか、」と横顔を見せて振向いた。

「なぜそうですよ、言うことをお聞きなさいなね、ええ焦れったい、」

地蹈を踏んでも澄して取合ないので、

「悔しい。」

と横を向いて上口の壁を、構いつけず平手でどんどんどんと撲り付けて体を揉む。酔ってる処へ激しく動いたので、がっくり膝が抜けて崩折れようとして、わずかにこらへ、掻るように壁に手を縋って、顔を隠して吻という息を吐いた。

「どうしたんですよ、」

階子段を上り上り、主婦は物音を怪んで来たのである。

「おや、おや、」

「言句ばかり言ってるさ、構わないでおくが可い。なあに汝が先へ来たって何も仔細はなかろうじゃないか。」

「そのことなんですか、まあ、飛んだ難かしいこと、トン!」

わッと吠えて前足を立てた、トンは飼犬の名であろう。