Classici giapponesi con furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Leggi 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 151.120 caratteri · 302 schermate
瞬間の、物凄い形相が、画面からぞわぞわと滲出て、思わずゾッとしたものが、背筋を駛るほどの出来栄えだった。
「すごいぞ、大成功……」
そういいながら、水木と洵吉とは、まだ濡れている写真を奪合うようにして覗きみては、手を拍って喜び、部屋の中を踊廻っていた。
こうした異様な写真を、彼等二人は次から次へと、倦かずに作って、もう今ではその数も、非常なものとなって来た。
或る日、水木はそれらを整理しながら、こんなことをいうのだった。
「ねえ、寺田君、こんな素晴らしい写真を、僕たち二人しか知らないというのは惜しいな。一度何処かで、とても公開することは出来ないだろうけれど……会員組織ででもいいから、展覧会をやってみたいね、きっと驚くぜ、中には卒倒する奴が出るかも知れないぜ――」
無論、洵吉も、大賛成だった。
(中には卒倒する奴が出るかも知れないぜ――)
その言葉が、彼の胸の底の虚栄心をぶるぶる顫わすのだ。
「是非やろう。何時がいいんだ――」
彼はもう急込んで、水木の顔を覗込んだ。だが水木は、如何にも考深そうに、
「いやすぐは出来ないよ。僕には前から考えている一生一代の大願目があるんだ、それを撮ったら、展覧会をやろう……」