Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
ああ、円い大きい着物の小包がつきました。うちは本の置どころがないようです。でもね、これだけはあなたに一杯くわされたといつも呵々大笑するのですけれど、あのビール箱にいくつもの本ね。今不自由しているのよ、あれがパイになってしまったから。鴎外全集なんか、こんどかくものにも入用なのにないでしょう? 近代劇全集がないでしょう? いろんな泰西名著文庫がすっかりなくて、改版がないでしょう。あれが今売らずにあったらほんとに役に立ったのに。あんまりあなたがあっさり仰云るもんで、ふーとその気になったのが間違いのもとでしたね。(但、ここのところ、いく分誇張ある文句ナリ)
あれから家憲が出来たのよ、申しませんでしたね。どんなボロ本も本は売るべからず、というのです。これは宮本家の家憲ですからどうぞ。この頃は古い本の価が一般にずっと高くなりました。例えば一円八十銭ぐらいの本でさがして買うと一円二十銭ぐらいのところです、ものによっては三倍以上です。紙がないばかりでなくものによって上るのですから。人間にあてはめると、それに準じて価上りなわけですね。表現は妙な形体をとるが。逆のような。