Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
あれをかいたときは、一しきりかいて、すこしつかれて椅子のうしろにもたれて、一寸うしろふりかえったらベッドがあって、もしそこに一つの顔があったらば、と急にこみ上げて思った勢でかいたのでした。あなたは私がうしろにちょこなんとしていて、仕事なさいました。でも、私にその芸当は出来なかったから。となりの部屋でも、何だかときどきおまじないを頂きに行ったでしょう? そんなこと思いあわせて、今の気持、こんなに互の生活に馴れている気持ではどうなのかしら、たとえばうしろによこになっていらしたら私はどんなかしら、仕事出来るのかしら、出来そうでもあるけれど。そんなことを考えたわけでした。寿江子なんかはこの頃うしろにいても、じっとさえしていれば、普通の仕事は出来ることもあるので。面白く思ったのでした。だってこの頃はあなたの体の中にはいりこんだ邪魔ものとさえ、あなたが其を持ってやっていらっしゃるように私も馴染んでいるのですものね。
一葉については明治二十九年来百種ばかりかいたものがあるようです。でも私は、そういう文献学的跋渉はしないで、いきなり作品と日記とその時代の生活全般とのてらし合わせで話しをすすめました。