Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
でもそんなに長くはいないでかえりましたが。
それできのうは思いがけず愉しき動顛をいたしました。いい心持で、何となし充実した幸福な気持になって、きょうもその気持はつづいて居ます。きっと一時で消えるものではないのだわね。私の生活のなかにずーっと交って、うれしい暖いものになるのでしょう。きのうはそれから神田の本やへ行って、すこし店が分らなくて迷子になり、校正をわたし、それから江古田の方の、私の先生だった女の国文学者のお宅へよばれて夜を過し、かえってお湯に入り、そのお湯の中で又新しく好ちゃんを思いおこし段々愉快になって、笑えました。いい月夜だったのよ、昨夜は。お気がついたでしょう? 月影は枕におちますか? それから床に入り、ぐっすりと眠って、けさは、ああああと何だか夏以来の軽やかな快活な心で目をさましました。
ああいう訪問の効果というものは不思議ね。こんな活溌快活な印象をのこすというのは。
あなたにもこんな訪問者をあらせてあげたいと思います。でも私はこう思うの、こんなに私が晴れ晴れといい心持になれば、それをよろこんで下さることで、おそらくあなたも幾分は愉快でいらっしゃるのだろうと。