Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.952 caratteri · 130 schermate
十一月三日
十月二十八日が咲枝さんの出産予定日でしたが、本人の予感では、十一月三日の夜らしいそうです、アナオソロシ。赤ん坊は男の子らしいそうです。母親が赤いものばかり欲しがる時には男の子だそうで、咲枝さんの蒲団と枕の赤さといったら少くとも私は微熱を発する程度ですから、多分すごい男の子なのでしょう。名はまだわかりません。女の子は桃子が可愛い名だけれども、字面が悪いので二の足をふんでいます。そうしてみると私の名はいい名ね。
冨山房の本は、随分さがしているけれどもまだみつかりません。外交史の下巻はどうしたかしら? 聞いてみましょう。訳は一刻を争うから雑なものが多いのですね。うけ負仕事のようにやるから。いずれ送って頂いて私も読んでもらいましょう。十月一杯は一冊も本読まず、縫直しさわぎで暮れましたから。今月からは少し落着いて本が読んでもらえるだろうと嬉しゅう御座います。
十一月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
十一月三日
三十一日附のお手紙今日(三日)頂きました。
薬のことごめんなさい。オリザビトンのことだと思ったのでした。ビトンは目下、粉末しかなくて、これから先も錠剤等は出にくいそうです。