Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
それに、時を刻むセコンドの音がたえず聞こえて、なんだかそれが伴侶のように思われる。一人で帰って来ても、時計が待っている。夜更けに目がさめてもチクタクやっている。物を思う心のリズムにも調子を合わせてくれるような気がする。かれは小畑にやる端書に枕時計の絵をかいて、「この時計をわが友ともわが妻とも思ひなしつつ、この秋を寺籠りするさびしの友を思へ」と言ってやった。学校からの帰途には、路傍の尾花に夕日が力弱くさして、蓼の花の白い小川に色ある雲がうつった。かれは独歩の「むさし野」の印象をさらに新しく胸に感ぜざるを得なかった。寺の前の不動堂の高い縁側には子傅の老婆がいつも三四人集って、手拍子をとって子守唄を歌っている。そのころ裏の林は夕日にかがやいて、その最後の余照は山門の裏の白壁の塀にあきらかに照った。
荻生さんはいつもやって来た。いっしょに町に出て、しるこを食うことなどもあった。「それは僕だってのんきにばかりしているわけではありませんさ。けれどいくら考えたってしかたがないですもの、成るようにしきゃならないんですもの」荻生さんは清三のつねに沈みがちなのを見て、こんなことを言った。