Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
そばでは母親が賃仕事のあい間を見て清三の綿衣を縫っていた。午後にはどうかすると町へ行って餅菓子を買って来て茶をいれてくれることなどもある。一夜凩が吹き荒れて、雨に交って霙が降った。父と母と清三とは炬燵を取りまいて戸外に荒るるすさまじい冬の音を聞いていたが、こうした時に起こりかけた一家の財政の話が愚痴っぽい母親の口から出て、借金の多いことがいく度となくくり返された。
「どうも困るなア」
清三は長大息を吐いた。
「いま少し商売がうまく行くといいんだが、どうも不景気でなア。何をやったッてうまいことはありやしない」
父親はこう言った。
「ほんとうにお前には気の毒だけれど毎月いま少し手伝ってもらわなくっては――」母親は息子の顔を見た。
「それは私は倹約をしているんですよ、これで……」と清三は言って、「煙草もろくろく吸わないぐらいにしているんですけれど……」
「お前にはほんとうに気の毒だけれど……」
「父さんにもいま少しかせいでもらわなくっちゃ――」
清三は父に向かって言った。
父は黙っていた。
財政の内容を持ち出して、母親がくどくどとなお語った。清三は母親に同情せざるを得なかった。