Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
平生ならば、新聞を忠実に注意して見るかれのこととて、いろいろと話の種にしたり日記をつけておいたりするのであるが、このごろはそんなことはどうでもよかった。人が話して聞かせても、「そうですか」と言って相手にもならなかった。愛読していた涙香の「巌窟王」も中途でよしてしまった。学校の庭の後ろには、竹藪が五十坪ほどあって、夕日がいつもその葉をこして宿直室にさしこんで来るが、ある夜、その向こうの百姓家から「福は内、鬼は外」と叫ぶ爺の声がもれて聞こえた。「あ、今日は節分かしらん」と思って、清三は新聞の正月の絵付録日記を出してみた。それほどかれは世事にうとく暮らした。
毎日四時過ぎになると、前の銭湯の板木の音が、静かな寒い茅葺屋根の多い田舎の街道に響いた。
羽生の和尚さんと酒を飲んで、
「どうです、一つ社会を風靡するようなことをやろうじゃありませんか。なんでもいいですから」
こんなことを言うかと思うと、「自分はどんな事業をするにしても、社会の改良でも思想界の救済でも、それは何をするにしても、人間として生きている上は生きられるだけの物質は得なければならない。そしてそれはなるべく自分が社会につくした仕事の報酬として受けたいと自分は思う。