Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
利根川の暮秋のさまや落葉や木枯のことも書いてある。十月の二十三日の条に「この日、雨寒し――」と書いてあった、あとは白紙になっている。その時、「日記なんてつまらんものだ。やはり他人に見せるという色気があるんだ。自分のやったことや心持ちが十分に書けぬくらいならよすほうがいい。自分の心の大部分を占めてる女のことを一行も書くことのできぬような日記ならだんぜんよしてしまうほうがいい」こう思って筆をたったのを覚えている。その間の一年と二三か月の月日のことを清三は考えずにはおられなかった。その間はかれにとっては暗黒な時代でもあり、また複雑した世相にふれた時代でもあった。事件や心持ちを十分に書けぬような日記ならよすほうがいいと言ったが、それと反対に日記に書けぬようなことはせぬというところに、日記を書くということのまことの意味があるのではないかとかれは考えた。
かれはふたたび日記を書くべく罫紙を五六十枚ほど手ずから綴じて、その第一頁に、前の三か条をれいれいしく掲げた。
明治三十六年十一月十五日
かれはこう書き出した。
四十一
「過去は死したる過去として葬らしめよ」
「われをしてわが日々のライフの友たる少年と少女とを愛せしめよ」