Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
手紙の中には、手ずから折った黄いろい野菊の花が封じ込んであった。「野の菊は妾の愛する花、師の君よ、師の君よ、この花をうつくしと思ひたまはずや」と書いてあった。
暑中休暇前一二日の出勤は、かれにとってことにつらかった。その初めの日は帰途に驟雨に会い、あとの一日は朝から雨が横さまに降った。かれは授業時間の間々を宿直室に休息せねばならぬほど困憊していた。それに今月の月給だけでは、薬代、牛乳代などが払えぬので、校長に無理に頼んで三円だけつごうしてもらった。
旅順陥落の賭に負けたからとて、校長は鶏卵を十五個くれたが、それは実は病気見舞いのつもりであったらしい。教員たちは、「もうなんのかのと言っても旅順はじきに相違ないから、その時には休暇中でも、ぜひ学校に集まって、万歳を唱えることにしよう」などと言っていた。清三は八月の月給を月の二十一日にもらいたいということをあらかじめ校長に頼んで、馬車に乗ってかろうじて帰って来た。
暑中休暇中には、どうしても快復させたいという考えで、清三は医師を変えてみる気になった。こんどの医師は親切で評判な人であった。診察の結果では、どうもよくわからぬが、十二指腸かもしれないから、一週間ばかりたって大便の試験をしてみようと言った。