Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
六
この会話にそれと知った清三は、箸を捨てて立ってそこに出て来た。母親どもの挨拶し合っている向こうに雪子の立っているのをちょっと見て、すぐ眼をそらした。
郁治の母親は清三の顔を見て、
「お帰りになりましたね、郁治が待っておりますから……」
「今夜あがろうと思っていました」
「それじゃ、どうぞお遊びにおいでくださいまし、毎日行ったり来たりしていた方が急においでにならなくなると、あれも淋しくってしかたがないとみえましてね……それに、ほかに仲のいいお友だちもないものですから……」
郁治の母親はやがて帰って行く。清三も母親もふたたび茶湯台に向かった。親子はやはり黙って夕飯を食った。
湯を飲む時、母親は急に、
「雪さん、たいへんきれいになんなすったな!」
とだれに向かって言うともなく言った。けれどだれもそれに調子を合わせるものもなかった。父親の茶漬けをかき込む音がさらさらと聞こえた。清三は沢庵をガリガリ食った。日は暮れかかる。雨はまた降り出した。
六
加藤の家は五町と隔たっておらなかった。公園道のなかばから左に折れて、裏町の間を少し行くと、やがていっぽう麦畑いっぽう垣根になって、夏は紅と白の木槿が咲いたり、胡瓜や南瓜が生ったりした。