Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
六十一
戦争の話が出ると、
「おそくも、休暇中には旅順が取れると思ったですけれどなア。よほどむずかしいとみえますな。このごろじゃ容易に取れないなんて、悲観説が多いじゃないですか。常陸丸にいろいろ必要な材料が積んであったそうですな」
こんなことを言った。
二三日して、今度は関さんが来た。女郎花と薄とを持って来てくれた。弥勒の野からとったのであると言った。母親は金盥に水を入れて、とりあえずそれを病人の枕もとに置いた。清三はうれしそうな顔をしてそれを見た。
関さんはやがて風呂敷包みから、紙に包んだ二つの見舞いの金を出した。一つには金七円、生徒一同よりとしてあった。一つは金五円、下に教員連の名前がずらりと並べて書いてあった。
六十一
遼陽の戦争はやがて始まった。国民の心はすべて満州の野に向かって注がれた。深い沈黙の中にかえって無限の期待と無限の不安とが認められる。神経質になった人々の心はちょっとした号外売りの鈴の音にもすぐ驚かされるほどたかぶっていた。そうしている間にも一日は一日とたつ。鞍山站から一押しと思った首山堡が容易に取れない。第一軍も思ったように出ることができない。