Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
なんでも三度四度ぐらいにおりることもあるんだッて……けちけちしてるから」
母親はその金をさも尊そうに押しいただくまねをして、立って神棚に供えた。神棚には躑躅と山吹とが小さい花瓶に生けて上げられてあった。清三は後ろ向きになった母親の小さい丸髷にこのごろ白髪の多くなったのを見て、そのやさしい心のいかに生活の嵐に吹きすさまれているかを考えて同情した。こればかりの金にすらこうして喜ぶのが親の心である。かれは中学からすぐ東京に出て行く友だちの噂を聞くたびにもやした羨望の情と、こうした貧しい生活をしている親の慈愛に対する子の境遇とを考えずにはいられなかった。
その土曜日は愉快に過ぎた。母親は自分で出かけて清三の好きな田舎饅頭を買ってきて茶を煎れてくれた。母親の小皺の多いにこにこした顔と息子の青白い弱々しい淋しい笑顔とは久しく長火鉢に相対してすわった。
清三は来週から先方のつごうさえよければ羽生の成願寺に下宿したいという話を持ち出して、若い学問のある方丈さんのことや、やさしい荻生君のことなどを話して聞かした。母親はそれまでには夜具や着物を洗濯してやりたい、それに袷を一枚こしらえたいなどと言った。