Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
「や、や?」
師泰は、半町ほどおくれていたが、白い糠雨の異様などよめき立ちに、あわてて馬を返しかけた。そこを、吉江小四郎の槍のために、
「思い知れ、越後」
とばかり背から乳下まで突き抜かれていた。この首もすぐ中間どもの手で寄ってたかって掻ッ切られる。さらに、ずっと後方の鷲林寺門前では、高ノ一族の師兼、師世、師夏、師幸、師景など、みな武装は解かれていた身なので、ほとんど抵抗らしい抵抗もなしえず、すべて、みなごろしにされてしまった。
中でもあわれだったのは、師直すらがあの目を細めて可愛がっていた師夏である。母は二条前関白の妹君だった。十三歳であったという。
復讐の血に酔った上杉、畠山の両党は、凱歌のような雑言を揚げて、はるか後方から尊氏の列をさらに追い立てていた。尊氏の官能はほぼ後ろの変を知っていたろう。もちろん彼らの暴挙は、それの計画的であった点からみても、直義が黙許の下に行われたことだったにちがいない。
暗天黒地
「今が満開だな」
と、尊氏がつぶやく。
答えるでもなく、直義は、ぽつんと言った。
「嵐山もむかしはただの山だった。こんな見事な花の山でなかった。